[1] 先代のイスラーイールの子ら*の子孫に対して「あなた方の父祖」ではなく、あたかも彼らが当事者であるかのように「あなた方」と語りかけている。それは彼らが、フィルアウン*から救われた時代のイスラーイールの子ら*の子孫であり、その恩恵が彼らにも及んでいるためである(アッ=タバリー1:385参照)。 [2] 一説によると、ある日フィルアウン*は、エジプトを滅ぼす男がイスラーイールの民から出現することを暗示する夢を見た。それで一定期間、イスラーイールの民に生まれた男児を皆殺しにして女児は生かしておき、成人には苦役(くえき)を強要して虐(しいた)げた。しかし苦役を課すための労働力が少なくなると、男児の皆殺しは隔年(かくねん)ごとになった。ムーサー*が生まれたのは、男児が殺される年であったとされる(アッ=タバリー1:386‐389、イブン・カスィール1:258、5:283参照)。
[1] アッラー*が、ムーサー*にトーラー*を下すことを約束した四十夜のこと(ムヤッサル8頁参照)。高壁章142以降も参照。 [2] イスラーイールの子ら*と仔牛の話については、高壁章148以降、ター・ハー章83‐98も参照。
[1] 彼らの内の一部が、お恵み深い創造主を差しおいて仔牛を崇拝*した罪の悔悟が受け入れられる条件は、互いに殺し合うことであった。アッラー*のこのご命令に従って死んだ者は殉教(じゅんきょう)者となり、生き残った者は悔悟を受け入れられた者となった(イブン・カスィール1:261‐263参照)。
[1] アル=クルトゥビー*によれば、大半の解釈学者は「マンヌ」を、「空から降ってくる、雫(しずく)状の甘い固形物」とするが、その他アラビアガム、蜜(みつ)、甘い飲み物、薄いパン、などといった解釈がある。また、もっと一般的な解釈として、「アッラー*がそのしもべたちに、労力や栽培なども要さずにお恵みになったものの総称」というものもある(1:406参照)。また「ウズラ」は、ウズラそのものではなく、ウズラに類似した鳥類のこととされる(ムヤッサル8頁参照)。 [2] 解釈学者たちによれば、これは食卓章21‐26で描かれている出来事の後、彼らがエジプトとシャーム地方(現在のシリア、パレスチナ周辺地域)の間で、四十年間彷徨(さまよ)った時の出来事とされる(アル=クルトゥビー1:406参照)。