[1] シャイターン*らは、スライマーン*が魔術によって偉大な王国を手にしたのだと思い込ませつつ、人々に魔術を提示した(アッ=サァディー60頁参照)。また、魔術とは「人間の力だけでは役不足である何らかの目的を達成するため、シャイターン*へのお近づきを乞う事で、その助力とするもの」。仕かけや道具を用いたり、手先の器用さなどを利用して行う手品などの類は、この内に入らない(アル=バイダーウィー1:371‐372参照)。 [2] ハールートとマールートは、人間を試練にかけるために天から下された天使*であると言われる(ムヤッサル16頁参照)。 [3] シャイターン*はユダヤ教徒*たちに魔術を教えたが、それは、彼らがそれを啓典よりも尊(たっと)ぶほどになるまで、彼らの間に広まった(前掲書、同頁参照)。
[1] ムスリム*たちの預言者*に対する言い回しには、「私たちに配慮して下さい(ラーイナー)」という言葉があり、それには「私たちを見守って下さい」「私たちが理解するまで、お待ち下さい」という意味があった。しかしユダヤ教徒*らは、その言葉を預言者への悪口に利用した。彼らは一説に、「ラァン(愚かさ)」という意味に結びつけ、また一説にはその言葉で、ヘブライ語の同音の悪口を意図した。それでアッラー*はその言葉を禁じ、同様の意味だが、そのような害の恐れのない「私たちを見守って下さい(ウンズルナー)」という言葉を使うように命じたのである(アル=バイダーウィー1:375参照)。
[1] この「ご慈悲」は特に、預言者*性・使徒*性のことを指すと言われる(ムヤッサル16頁参照)。