[1] 「善きもの」とはイスラーム*のことで、「奪われたもの」とは身代金のことであると言われる。一説にこのアーヤ*はバドルの戦い*で捕虜となった、預言者*の叔父アル=アッバースらに関して下った。アル=アッバースはイスラーム*を受け入れた後、支払った身代金の百倍にあたる財産を得た、とされる(アッ=タバリー5:3901-3902参照)。
[1] この「盟友」は、相続に関することとも、支持と援助に関することとも言われる。前者の説の場合、その決まりは撤回された(アーヤ*の撤回については、雌牛章106の訳注を参照)と見なされる(アーヤ*75とその訳注を参照)。婦人章33とその訳注も参照。(アル=クルトゥビー8:56参照)。
[1] つまり、信仰者どうしが助け合わなければ、イスラーム*において「試練」が生じ、イスラーム*を阻(はば)み、不信仰の基盤が強化されるという「腐敗」が現れる、ということ(ムヤッサル186頁参照)。
[1] 「貴い糧」とは、天国おける褒美のこと(前掲書、同頁参照)。
[1] マディーナ*時代の初期においては、信仰上の兄弟という契りを交わした信仰者どうしが、親族関係を超えて遺産を相続し合った(イブン・カスィール4:95参照)。しかしこのアーヤ*によって、そのような遺産相続は撤回された(前掲書4:99-100参照)。婦人章33とその訳注、部族連合章6も参照。また、アーヤ*の撤回については、雌牛章106の訳注を参照。