[1] 偽信者*たちはムスリム*側に勝利や戦利品*が訪れると、「私たちはあなた方の宗教と共にあり、戦いにおいてはあなた方と共にあったではないか?」などと言い、現世の分け前にあずかろうとする(アル=バガウィー1:714参照)。 [2] いくばくかの勝利や、戦利品*のこと(ムヤッサル101頁参照)。
[1] 「偽信者*がアッラー*を欺いている」については、雌牛章9の訳注を参照。「欺き」という彼らの罪に対するアッラー*の罰が、「欺き」という同じ表現で表されているのは、彼らの罪は結局、自分たちに返って来るからである(イブン・ジュザイ1:215参照)。尚、「アッラー*が偽信者*を欺く」とは、彼らが放埓(ほうらつ)さと迷妄に留まることゆえに、実際にはアッラー*が彼らを徐々に破滅へとお導きなのであること、そして現世では彼らが真理に到達することはなく、復活の日*には「鉄章」のアーヤ*13-14で描写されているような状況に陥(おちい)ることを意味する(イブン・カスィール2:437参照)。
[1] 信仰者たちと一緒でもないし、不信仰者*たちと一緒でもない、不安定な状況(ムヤッサル101頁参照)。教友*イブン・ウマル*によれば、預言者*は仰(おっしゃ)った:「偽信者*というものは、二つの羊の群れの間を彷徨(さまよ)う、一頭の羊のようなものである。時にはそちらに行ったり、また別の時にはこちらに行ったりするのだ」(ムスリム「偽信者*の特徴の書」17参照)。つまり彼らは眼識を備えた信仰者でもなければ、無知な不信仰者*でもない(アッ=タバリー4:2605参照)。
[1] 関連するアーヤ*として、イムラーン家章28とその訳注、試問される女章8も参照。
[1] 「その崇拝*行為をアッラー*だけに真摯に捧げる」とは、心身による崇拝*行為においてアッラー*のみを意図し、人目を気にした善行やイスラーム*への不誠実さを避けること(アッ=サァディー211頁参照)。