[1] アッラー*の道において奮闘(ふんとう)し殺された者は、現世と来世との狭間(はざま)の世界(バルザフ)において、アッラー*の恩恵を授かりながら特別な「生」を送る。一説には、彼らは復活の前まで、天国からの食事を振舞(ふるま)われるとも言われる(アフマド2390、ムスリム「統治の書」121参照)。イムラーン家章169の訳注も参照。
[1] 「サファーとマルワ」とは、マッカ*のハラーム・マスジド*に面した、全長約四百mの通路を挟(はさ)む、二つの丘のこと。「サファーの丘」から始めてその間を三往復半する行(ぎょう)は「サァイ」と呼ばれ、ハッジ*とウムラ*における必須(ひっす)項目の一つである。 [2] ハッジ*でもウムラ*でも、「サァイ」は巡礼*における必須項目の一つ。しかしこのアーヤ*で、それがあたかも任意の行為であるかのように述べられているのは、このアーヤ*が下った当時、マッカ*はまだ不信仰者*の支配下にあり、サファーとマルワの両丘には偶像があったからである。それでムスリム*たちはウムラ*を行う際、そのような状況でサァイを行うことに躊躇(ちゅうちょ)していたが、アッラー*はそのような中でもサァイを行ってよい、と許可された(アル=ブハーリー1643参照)。
[1] 「アッラー*の呪い」についてはアーヤ*88の訳注を参照。また、「呪うものたちが彼らを呪う」とは、彼らに対してアッラー*の呪いを祈ること。「呪う者たち」の解釈には、「天使*」「ジン*と人間」「動物」などの諸説がある(アル=バガウィー1:194参照)。