[1] ここでの「醜行」は、婚外交渉のこと。またアッ=タバリー*によれば、ここでの「女性」とはその時点で配偶者がいるかどうかに関わらず、「防護された女性(ムフサナ*)」のこと(3:2188参照)。 [2] 信頼性のあるムスリム*成人*男性(信頼性に関しては、頻出名・用語解説の「真正*」の項②も参照)四人が、互いの証言において矛盾の認められない形で、実際に性交を目視したことを正確に証言すること。尚その証言に十分な根拠と信頼性が認められなかった場合、彼らは逆に名誉毀損(きそん)の罪で罰せられることになる。また当人が未成年や精神異常などの理由で責任能力を有していなかったり、自ら選択して行った行動ではなかったり、あるいは婚外交渉の非合法性に無知だったりした場合も、罪には問われない。また四人の証言がなくても、自白によって罪は確定する。御光章2の訳注も参照。 [3] この「拘束」にとって代わる「別の道」とは、御光章2や預言者*ムハンマド*から伝わる複数の伝承に基づく、婚外交渉に対する刑罰の規定(アーヤ*の撤回については、雌牛章106の訳注を参照)。四大法学派*は、男女のムフサン*には石打ち刑を、非ムフサンには百回の鞭打ち刑を科すこと(一定期間の追放もを科すかどうかは、学派によって異なる)で一致している(クウェイト法学大全41:122参照)。なお刑の確定と執行はイスラーム*法治国家監督の下、様々な厳しい条件を全て満たした場合のみ可能になる。
[1] 非難の言葉や、靴で叩くなどして「害する」こと。これもアーヤ*15同様、後に撤回された。一説にこの「二人」とは、ムフサン*ではない男女(イブン・カスィール2:235参照)。
[1] 故意にせよ、そうではないにせよ、罪を犯す者とは、そうすることによる自らの結末とアッラー*のお怒りについて無知であるがゆえに、罪を犯すのである(ムヤッサル80頁参照)。 [2] 死が訪れる前に、ということ(ムヤッサル80頁参照)。あるいは、遅らせることなく、すぐに(アル=カースィミー1154-1155参照)。
[1] 関連するアーヤ*として、家畜章158とその訳注も参照。
[1] ジャーヒリーヤ*では、妻が未亡人となった場合には、息子など、彼女の亡き夫に最も近縁の男性が彼女自身を相続するという悪習があった。そして彼は望むなら彼女を自分自身で娶(めと)ったり、だれかに嫁がせたり、あるいは誰にも嫁がせずに生涯独身でいさせる、ということも出来た(アッ=タバリー3:2203-2206参照)。尚「嫌がる」は単なる描写であり、たとえ嫌がってはいなくても、そのようなことが合法なわけではない(アル=カースィミー1157参照)。 [2] 妻を嫌うがゆえに、妻の方から離婚を求めさせ、その代償として自分が払った婚資金*の一部をせしめようとすべく、嫌がらせをすること(アル=バガウィー1:588参照)。雌牛章229とその訳注も参照。 [3] この「醜行」は、婚外交渉のほか、夫への口の悪さ、嫌がらせなども含まれるとされる(アッ=タバリー3:2208-2211参照)。 [4] 敬意と愛情をもって接し、妻への義務をきちんと果たすこと(ムヤッサル80頁参照)。預言者*は仰(おっしゃ)った:「あなた方の中で最善の者は、自分の妻に対して最善の者である」(アル=ハーキム7406参照)。 [5] 預言者*は仰(おっしゃ)った:「男の信仰者が、(妻である)女の信仰者を(完全に)嫌ってはならない。もし彼女のある性格が嫌でも、別の一面を気に入るようにせよ」(ムスリム「養育の書」61参照)。