[1] 「ズン=ヌーン(大魚の人)とは、預言者*ユーヌス*のこと(アッ=サァディー529頁参照)。 その異名の由来は、整列者章142にあるように、彼が海で大魚に呑(の)み込まれたことである。 [2] ユーヌス*は、預言者*としてその民へ遣わされたが、彼らは信仰せず、警告にも耳を貸さなかった。それで彼は、アッラー*から命じられたように忍耐*せず、民に腹を立て、彼らのもとを立ち去ってしまったのだという(ムヤッサル329頁参照)。整列者章139-148には、その情景がより詳しく描写されている。尚、預言者*の無謬(むびゅう)性については、雌牛章36の訳注も参照。 [3] アッ=サアディー*によれば、このような発想は、それが定着・継続しないことを条件に、預言者*にも起こり得ることである(529頁参照)。雌牛章36のの訳注も参照。 [4] この「闇」は、原語では複数形。つまり大魚の体内の闇と、海の底の闇、夜の闇などが重なった状態であった(アッ=タバリー7:5755参照)。 [5] 預言者*ムハンマド*は、このユーヌス*の言葉は、アッラー*によって必ず叶(かな)えられる祈願の言葉である、と仰(おっしゃ)っている(アッ=ティルミズィー3505参照)。